ダイヤモンドダスト

南木佳士「ダイヤモンドダスト」

信州の別荘地に建つ病院で働く看護師や医師を主人公とした短編集。シンプルだが澄んだ文章。死を静かに見つめる感性は、医師としての経験によるものか。表題作以外の3編はタイの難民キャンプでの医療従事経験が下敷きとなっている。著者自身があとがきに書いているように、どれも“地に足のついた” 作品。登場人物の思いも物語も決して飛躍しないところに共感が持てる。表題作とともに、浪人時代の恋人に再会し、その最期に直面する「冬への順応」が心に残った。

コメントを残す