第三の男

グレアム・グリーン「第三の男」

映画で知られる作品だが、グレアム・グリーンの原作も当初から映画化前提で書かれている。映像的な場面展開に、心理描写などが削ぎ落とされた文体、大戦直後の分割統治下のウィーンの雰囲気が組み合わさって独特の雰囲気を生んでいる。陰鬱な空気の中、主人公の三文小説家が純文学の大家に間違われるエピソードが英国喜劇っぽくて面白い。

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