弾左衛門とその時代

塩見鮮一郎「弾左衛門とその時代」

穢多頭、長吏頭として江戸期の被差別民を統率した「弾左衛門」。最後の弾左衛門(13代目、弾直樹)の生涯と、初代が関八州を家康から任せられるようになった経緯の考察が中心。

特に明治の解放令に直面した13代目の話が興味深い。被差別民の解放は、土地の商品化や皮革産業における特権の解体など、資本主義の要請と一体だった。身分制度は、差別意識のみが歪んだ形で次の時代に残ってしまった。

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