坂東三津五郎 歌舞伎の愉しみ

坂東三津五郎「歌舞伎の愉しみ」

坂東三津五郎の聞き書き。初心者向けの歌舞伎入門や好事家向けの芸談はたくさんあるが、歌舞伎を多少なりとも見たことがある“中級者”向けの本は少ない。その層を対象としており、演目ごとの工夫や先人の思い出など、分かりやすく内容も充実。歌舞伎ファン必読。

「型が一つ出来上がるまでに、いったい何人の人が携わってきたか。ここに来るまでに、いったい何人の人のお墓がそこに立っているのか」

「ぼくらは、ただ預かっているわけです。それを渡さないのは義務不履行っていう感じがしますね」

急逝した今となっては「僕の役者としての人生は、これからの二十年が勝負だと思います」という言葉が悲しい。08年の出版。

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