紀ノ川

有吉佐和子「紀ノ川」

明治から大正、昭和へ、社会が大きく変わっていった時代を描いた女三代記。

家父長的な旧家の盛衰を題材としながら、そこを貫くのは男の系図ではなく、母への反発と共感を繰り返しながら女から女へと受け継がれる血筋。

それは水量豊かな川のようなもので、小さな流れだった男たちに流れ込み、ひとつの大河として成長していく。大河の流れを決めたのは、どちらの川だったのか。

「家」の崩壊と普遍性をともに描く、これほどのスケールの近代小説を著者が28歳で書いたことに驚嘆。

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