深夜特急4 シルクロード

沢木耕太郎「深夜特急4 シルクロード」

四巻はなんと言ってもアフガニスタンと革命前のイランの様子が書かれているのが面白い。まだ日本人旅行者は多くない時代だが、ヒッピーが世界中を旅し、カトマンズやバラナシのように東西を行き来する旅人の逗留地となっていたカブール。都会の空気が漂うテヘラン。この時代にこの地域を旅してみたかった。

そんな70年代の旅への憧憬を抱きつつ、自分も幸せな時代に旅ができたとこの頃は感じる(歳をとった証拠か)。

シリアをはじめとする多くの国がこの10年で大きく状況が変わってしまったし、さらに携帯のローミングやスマホの普及で、旅のスタイルも大きく変化した。深夜特急の旅と自分が旅をした時代は20年以上離れているが、それでもバックパッカーならぬフラッシュパッカーという言葉の生まれたこの10年の変化に比べれば、それほどの差はないように感じる。新しい街に着くと、まず宿、続いて飯、そしてネットカフェを探していたのが懐かしい。

最近、トラベラーズチェックももう国内では買えないと知って衝撃を受けた。

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