何者

朝井リョウ「何者」

就活を物語の中心に据えた、珍しいけどとても現代的な小説。SNSの流行で、誰もが自分を短いキーワードの羅列で“何者か”に見せようとする現代をユーモアを交えつつリアルに描写している。頑張っている自分を発信し続けずにはいられない人、キラキラした単語を散りばめて意識の高い自分を演出する人、それを冷静に観察して自分は違うと優越感に浸る人。それぞれに対する憎しみと共感が描かれていて、誰もが読んでニヤリとしつつ、どこかチクリとも感じるのでは。

コメントを残す