聖なる怠け者の冒険

森見「登美彦聖なる怠け者の冒険」

主人公をはじめ、登場人物の半数が動きたがらない怠けもの。冒険と怠惰のせめぎ合いの中、よく分からない勢いで物語が進んでいく。この不思議な推進力は著者ならでは。文体は以前よりもシンプル。読みやすいけど、初期の無駄にだらだらした文章も名残惜しい。新聞連載がベースということもあって、やや難産のあとも感じられるけど、安定した面白さ。

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