天災から日本史を読みなおす

磯田道史「天災から日本史を読みなおす ―先人に学ぶ防災」

過去の地震や津波、噴火の規模を古文書や日記から探り、今後に備える。

歴史資料からは未来に通じる多くの情報が読み取れる。津波に関しては、大阪でも過去に6m級が来た可能性が高いという。通常、神社などの被害記録が参考になるが、橋の流出記録を見るというのが水都らしく面白い。

個人的に驚かされたのが、高潮の被害。遠州灘のような沿岸部だけでなく、東京、大阪のような都市部も何度も街中が浸水し、多くの死者を出している。

このほか、災害で歴史がどう変わったかという話題も面白い。天正地震で秀吉の家康征伐が中止され、家康は生き延びた。またこの地震で山内一豊が子を失い、震災孤児を迎え、その子が巡り巡って土佐藩と会津藩の学問レベルを上げることに繋がったなど、知らないことも多かった。

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