色川武大「百」

家族との微妙な距離感を描いた短編集。博徒・阿佐田哲也としての無頼のイメージからは遠い、静かで誠実な私小説。

自分に、ここまで真っすぐ自らを見つめることができるだろうか。

「おやじ、死なないでくれ-、と私は念じた。彼のためでなく私のために。父親が死んだら、まちがいの集積であった私の過去がその色で決定してしまうような気がする」

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