ジョン・オコーネル著、菅野楽章訳「Bowie’s Books」
副題は「デヴィッド・ボウイの人生を変えた100冊」。一人の少年がいかにして「デヴィッド・ボウイ」になったのか。13年に英国から始まった自身の大規模な回顧展に際し、ボウイが寄せた「愛読書100冊」のリストをもとに、希代の音楽家の人生と音楽に読書がいかに影響を与えたかを解き明かす刺激的な一冊。
“Bowie’s Books―デヴィッド・ボウイの人生を変えた100冊” の続きを読む
読んだ本の記録。
ジョン・オコーネル著、菅野楽章訳「Bowie’s Books」
副題は「デヴィッド・ボウイの人生を変えた100冊」。一人の少年がいかにして「デヴィッド・ボウイ」になったのか。13年に英国から始まった自身の大規模な回顧展に際し、ボウイが寄せた「愛読書100冊」のリストをもとに、希代の音楽家の人生と音楽に読書がいかに影響を与えたかを解き明かす刺激的な一冊。
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今や地方の土地は負の資産になりつつある。貸駐車場に転用できるような土地はまだいいとして、中山間地の農地や山林などは放置するわけにもいかず、かといって買い手もいない。
父が実家の田んぼを太陽光パネルの業者に売る――。母からの電話でそのことを知った著者は、自ら土地を買い取り、田畑として維持することを決意する。その後の試行錯誤の日々をまとめたエッセー集だが、これが滅法面白い。
“その農地、私が買います 高橋さん家の次女の乱” の続きを読む
中学入学を控えた姪と、小説家の「私」が利根川沿いを歩いて旅する。道中、サッカーに打ち込んでいる少女はリフティングを、「私」は風景描写の「練習」を続ける。コロナ禍のロード・ノベルであり、柳田国男ら先人への言及には評論、随筆的な味わいも。
“旅する練習” の続きを読む
自伝的、随筆的小説。新聞の日曜版に連載されたもの。回想が主だが、終盤は今の生活が綴られる。
著者は、作家であり、実業家であり、多くの作家、芸術家との恋愛遍歴でも知られる。
“生きて行く私” の続きを読む
VRのような「もう一つの世界」は、もはや荒唐無稽な設定や、遠い未来の話とは感じられなくなってきている。技術としては未熟でも「SF」というフィクションの枠を超えたリアリティを持ち始めている。
“アメリカン・ブッダ” の続きを読む
田舎町の選挙を巡る騒動。セコい大人たちの思惑が入り乱れ、その中で追い詰められていく「おれ」。幼い、でもだからこそある意味で大人くさくもある主人公の造形が読み手を引き込む。そのぶん、狂気と暴力の結末に、無理やり物語の幕を引いたような物足りなさが残った。
併録の「天空の絵描きたち」は、ビルのガラス拭きたちの人間模様を描いたストレートな人間ドラマ。これまで単行本に収録されなかったのが不思議な傑作。ドラマ化、映画化されれば、映像でも映えそう。
治安維持法を巡る連作短編集。
「雲雀」「叛徒」「虐殺」「矜恃」の4編で、それぞれ、プロレタリア文学の旗手・小林多喜二、反戦川柳作家・鶴彬、「横浜事件」で弾圧された言論誌の編集者ら、哲学者・三木清を物語の中心に据えている。スパイ小説「ジョーカー・ゲーム」の著者らしく、罪を仕立て上げようとする官憲と、表現者の息詰まる心理戦が描かれる。
“アンブレイカブル” の続きを読む
大変有用な本である。朝日新聞の名文記者による文章指南書。名高い本多勝一「日本語の作文技術」とともに全ライター志望者必携。文章力の向上に即効性がある一冊。ただ、読みながら「良い文章」とは何だろうか、そんなものあるのだろうか、ということを(自分が気の利いた文章を書けないというやっかみ半分で)考えた。
“三行で撃つ 〈善く、生きる〉ための文章塾” の続きを読む
タイトルの伏せ字も読者への挑戦。さまざまな趣向を懲らしたミステリー。
南の島でのオフ会で殺人事件が起こる。クローズドサークルもののど真ん中のシチュエーションだが、後半で謎が明らかになるにつれて、突っ込みどころがどんどん湧いてくる。核となるトリックにも苦笑い。でも、この馬鹿馬鹿しさは嫌いじゃない。
<以下ややネタバレ>
“○○○○○○○○殺人事件” の続きを読む