京都に女王と呼ばれた作家がいた 山村美紗とふたりの男

花房観音「京都に女王と呼ばれた作家がいた 山村美紗とふたりの男」

「ミステリーの女王」と呼ばれた山村美紗の評伝。

他の作家に京都を舞台にしたミステリーを書くことを許さなかった。広告で自分より名前が大きく掲載された作家がいると、編集者を呼び出して謝罪させた――。数々の伝説に彩られた女王の生涯を、「ふたりの男」との関係を軸に描く。
“京都に女王と呼ばれた作家がいた 山村美紗とふたりの男” の続きを読む

芝居小屋戦記 神戸三宮シアター・エートーの奇跡と軌跡

菱田信也「芝居小屋戦記 神戸三宮シアター・エートーの奇跡と軌跡」

2017年4月に神戸・三宮に誕生した小劇場「神戸三宮シアター・エートー」。新築4階建てで客席数100。楽屋、シャワー室、稽古に使える多目的室なども備えている。路地裏のコインパーキングが、演劇人の理想が詰まった小劇場に生まれ変わった。

神戸を拠点に劇作家・演出家として活躍し、同劇場の芸術監督に就任した著者が、劇場設立の経緯や運営の苦労をつづったドキュメント。劇場の運営経費や自主公演の収支、失敗談なども赤裸々に盛り込んでいる。
“芝居小屋戦記 神戸三宮シアター・エートーの奇跡と軌跡” の続きを読む

「地球の歩き方」の歩き方

山口さやか、山口誠『「地球の歩き方」の歩き方』

黄色い表紙、青い小口塗りのガイドブックを手に初めての海外に出た人は少なくないのでは。

「地球の歩き方」は1979年創刊。海外旅行の自由化から15年が経っていたが、当時のガイドブックはパッケージツアーの参加者向けに異文化や観光地を紹介するものばかりで、移動手段や宿泊情報を載せた「歩き方」は画期的だった。

本書はその創刊に携わった4人、安松清氏、西川敏晴氏、藤田昭雄氏、後藤勇氏のインタビュー。「歩き方」の歩みは、そのまま日本の「自由旅行」「個人旅行」の歴史になっている。
“「地球の歩き方」の歩き方” の続きを読む

新編 越後三面山人記

田口洋美「新編 越後三面山人記」

ダムに沈んだ山人集落の記録。著者は新潟県北部、朝日連峰の山中にある三面集落に1985年の閉村直前に長期滞在し、16ミリフィルムでその生活を記録した。狩りの習俗から、採集、農耕、日常生活まで、村人の語りを中心に丁寧にまとめており、失われた山村の生活の貴重な証言となっている。
“新編 越後三面山人記” の続きを読む

あふりこ

川瀬慈編著「あふりこ フィクションの重奏/遍在するアフリカ」

人類学者5人の共著だが、研究報告ではなく、フィクション。

収録作は、川瀬慈「歌に震えて」「ハラールの残響」、村津蘭「太陽を喰う/夜を喰う」、ふくだぺろ「あふりか!わんだふる!」、矢野原佑史「バッファロー・ソルジャー・ラプソディー」、青木敬「クレチェウの故郷」の6編。エチオピア北部で歌を生業とする人々「ラワジ」や、西アフリカの妖術師など題材はさまざま。いずれも実験的な構成、内容で、小説、随想、散文詩などの境界を越えて、読み手を多様なアフリカの姿に誘う。
“あふりこ” の続きを読む

バンコクドリーム 「Gダイアリー」編集部青春記

室橋裕和『バンコクドリーム 「Gダイアリー」編集部青春記』

「日本の恥!」と駐妻たちに目の敵にされた伝説の雑誌、という帯の文句が目を引く。1999年にバンコクで創刊された日本語月刊誌「Gダイアリー」は、ジェントルマン(紳士)の日記という名前の通りというか、裏腹にというか、夜遊びネタの豊富さで知られたが、一方で下川裕治や高野秀行といった作家の文章や硬派なルポも載る総合誌だった(らしい)。
“バンコクドリーム 「Gダイアリー」編集部青春記” の続きを読む

ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー

ブレイディみかこ「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」

英国の公立学校に通う息子との日々をつづったエッセイ。

著者は英国の“最底辺保育所”で働いた経験を持つライター。イエローでホワイトでもある息子は、落ち着いたカトリックの小学校に通っていたが、あえてさまざまな社会階層の子が集まる“元底辺中学校”への進学を選ぶ。その学校生活を通じて、英国社会のさまざまな問題が浮き彫りになる。同時に、教育のおいて本当に必要なことは何かを考えさせられる。
“ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー” の続きを読む