芝居小屋戦記 神戸三宮シアター・エートーの奇跡と軌跡

菱田信也「芝居小屋戦記 神戸三宮シアター・エートーの奇跡と軌跡」

2017年4月に神戸・三宮に誕生した小劇場「神戸三宮シアター・エートー」。新築4階建てで客席数100。楽屋、シャワー室、稽古に使える多目的室なども備えている。路地裏のコインパーキングが、演劇人の理想が詰まった小劇場に生まれ変わった。

神戸を拠点に劇作家・演出家として活躍し、同劇場の芸術監督に就任した著者が、劇場設立の経緯や運営の苦労をつづったドキュメント。劇場の運営経費や自主公演の収支、失敗談なども赤裸々に盛り込んでいる。

演劇は儲からない。生身の人間が演じ、その瞬間のみにしか存在できない演劇は、最も効率の悪い芸術だろう。でも、だからこそ、人と人がつながる場になる。

シアター・エートーのオーナーは医療法人の理事長。劇場そのものは赤字で、経営のお荷物だが、文化の拠点として、街づくりにおける価値は計り知れない。

全国の富裕層の皆さま。眠っている土地があるなら、そこに何かを作りましょう。コインパーキングばかりでは街も眠ってしまう。

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