不死身の特攻兵 軍神はなぜ上官に反抗したか

鴻上尚史「不死身の特攻兵 軍神はなぜ上官に反抗したか」

陸軍の最初の特攻隊「万朶隊」の隊員で、9回出撃し、通常攻撃や機体の故障などで9回とも生きて帰ってきた佐々木友次氏の記録。亡くなる2カ月前までの貴重な証言が収められている。
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戦禍に生きた演劇人たち 演出家・八田元夫と「桜隊」の悲劇

堀川惠子「戦禍に生きた演劇人たち 演出家・八田元夫と『桜隊』の悲劇」

広島で被爆し、全滅した劇団「桜隊」は、井上ひさしの「紙屋町さくらホテル」や新藤兼人監督の映画で取り上げられてきたが、いずれも原爆の悲劇としての側面が強く、なぜ彼らが広島にいたのか、その背景にある戦前・戦中の苛烈な思想統制、演劇人への弾圧については資料の不足からあまり描かれてこなかった。

著者は、桜隊の演出を手がけていた八田元夫の膨大なメモや未発表原稿を発掘し、彼の生涯を縦軸に、戦前から戦後に至る表現者たちの受難の歴史を現代によみがえらせた。
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たった独りの引き揚げ隊 10歳の少年、満州1000キロを征く

石村博子「たった独りの引き揚げ隊 10歳の少年、満州1000キロを征く」

世界大会で3度優勝し、公式戦無敗の41連勝、“サンボの神様”とまで言われたビクトル古賀(古賀正一)の少年時代の物語。満州から一人で引き揚げてきた少年の回想であると同時に、コサックの末裔の物語でもある。

「俺が人生で輝いていたのは、10歳、11歳くらいまでだったんだよ。(中略)俺のことを書きたいって、何人もの人が来たよ。でも格闘家ビクトルの話だから、みんな断った。あなたを受け入れたのは、少年ビクトルを書きたいっていったからさ」
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キメラ―満洲国の肖像

山室信一「キメラ―満洲国の肖像」

仮にも国として作られながら、崩壊時に多くの資料が焼き払われたこともあり、満洲国の実像や全体像はなかなか摑みづらい。漠然としたイメージや、あるいは引き揚げ者の証言を通じて「満洲」は語られてきた。

法制思想史が専門の著者は関東軍、日本、中国のつぎはぎで作られた“キメラ”として満洲の通史を描く。そこでは、政治の実験場、軍の裏金作りの場、「五族協和」を掲げながら実態は差別に満ちた社会としての満洲の姿が明らかになる。
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14歳〈フォーティーン〉 満州開拓村からの帰還

澤地久枝「14歳〈フォーティーン〉 満州開拓村からの帰還」

ノンフィクションの大家による自身の戦争体験記。満州に暮らした女学校時代の回想から、引き揚げまで。思春期の記憶を頼りに書いていて、同様の体験記に比べて決して濃い内容ではないが、等身大の記憶として受け止められる。
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あの戦争と日本人

半藤一利「あの戦争と日本人」

1年前にkindleのセールで買ったまま積読(電子書籍ではなんと言えば……)していた1冊。
著者の論旨は明快で、日露戦争から日中戦争、太平洋戦争にかけて、国の指導者がいかにリアリズムを失っていったかに重点を置いて語られている。「統帥権の独立」を盾に「軍部が暴走」という単純な歴史観ではなく、参謀本部、内閣、世論がそれぞれに、ずるずると戦略無しの決断を重ねていった結果、引き返せない地点に至ったことを丁寧に明らかにしている。あの戦争は決して軍部という異常な存在が単独で引き起こした問題ではない。大衆、メディア、政治、どこにも大局的見地がないという問題は現在の日本にも重なる。

生きて帰ってきた男

小熊英二「生きて帰ってきた男 ―ある日本兵の戦争と戦後」

著者の父の半生を聞き取りでまとめたもの。小熊英二の父、謙二は敗戦後にシベリアに抑留された経験を持つが、その生涯は平均的なもの(それは典型的なイメージ通りの人生ということを意味しない)で、決してドラマチックではない。だからこそ、一人の個人史から時代を描く試みが成功している。
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戦争と読書 水木しげる出征前手記

水木しげる、荒俣宏「戦争と読書 水木しげる出征前手記」

水木しげるが徴兵される直前に書いた手記。手記そのものは短く、半分以上が荒俣宏による解説で、それも水木の戦争体験というよりは、戦前の若者の教養主義についての内容。目前に迫った死の可能性にどう向き合うか。それは生きる意味にもつながってくる。戦前の青年がとにかくよく本を読み、よく悩んだという事実に驚かされる。
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