20年代 10年代 00年代 90年代 80年代 70年代 60年代
ニール・ヤング(Neil Young)は1945年11月12日にカナダ・トロントで生まれた。10代前半で両親が離婚し、彼は母方に引き取られた。多感な10代でロックの誕生と興隆を目の当たりにした彼は、自身もミュージシャンへの道を歩み始めた。当時のことは「Don’t Be Denied」(「Time Fades Away」に収録)などの楽曲に歌われている。
ハイスクール時代には、スクワイヤーズ(The Squires)というバンドを組み、地元で人気を集めた。「The Archives Vol.1」では、「The Sultan」など当時の楽曲を聴くことができる。この頃、ニールはスティーヴン・スティルス(Stephen Stills)や、まだ無名だったジョニ・ミッチェル(Joni Mitchell)らとも知り合っている。
その後、マイナー・バーズ(The Mynah Birds)という名のバンドでプレイしたニールは、1966年の春、同じバンドにいたブルース・パーマー(Bruce Palmer)と中古の霊柩車でロサンゼルスに向かった。そこでスティルスとリッチー・フューレイ(Richie Furay)と合流し、バッファロー・スプリングフィールド(Buffalo Springfield)を結成する。
才気溢れる若者たちが集まったバッファローは徐々に人気を集めたが、グループ内の不和もあって3枚のアルバムを残して68年に解散。この後、ニールは様々なミュージシャンと交友を深めつつも、基本的にはソロ・ミュージシャンとしての道を歩むことになる。
1969年に1stアルバム「Neil Young」を発表。直後に、当時ロケッツ(The Rockets)という名のグループを組んでいた、ギターのダニー・ウィットン(Danny Whitten)、ベースのビリー・タルボット(Billy Talbot)、ドラムスのラルフ・モリーナ(Ralph Molina)の3人を迎え、クレイジー・ホース(Crazy Horse)と名付け、名作と誉れ高い2nd「Everybody Knows This Is Nowhere(ニール・ヤング・ウィズ・クレイジー・ホース)」を発表した。
60年代末から70年代初めにかけては、ソロと並行してクロスビー・スティルス・ナッシュ&ヤング(CSN&Y)としても活動し、ウッドストックにも出演。その後、「After the Gold Rush」、「Harvest」、「On the Beach(渚にて)」、「Tonight’s the Night(今宵その夜)」、「Zuma」と立て続けに名作を世に送り出している。
70年代後半にはパンク・ロックに共鳴し、「Rust Never Sleeps」、ライブの名盤「Live Rust」をリリース。
音楽業界も大きな転機を迎えた80年代は、テクノの「Trans」やロカビリーの「Everybody’s Rockin」、カントリーの「Old Ways」など、ニール自身も迷走と言われるくらい極端な作品群を発表している。
そして1989年の「Freedom」、翌年の「Ragged Glory(傷だらけの栄光)」でニールは再びロックの最前線に戻ってきた。この頃から若手ミュージシャンからの評価が顕著に高まり始め、ソニック・ユース(Sonic Youth)やパール・ジャム(Pearl Jam)といったミュージシャンたちがニールへのリスペクトを表明するようになる。80年代も一貫して商業音楽と一線を画した独自の活動を続けてきたニールは、次第にグランジの祖(Godfather of Grunge)と呼ばれるようになった。
00年代からは環境問題、エネルギー問題への関心を深め、「Greendale」などの作品を発表。今も年に1~2枚のアルバムを発表し続け、旺盛な創作意欲は衰えることを知らない。
◇全アルバム解説
1960年代
1970年代
1980年代
1990年代
2000年代
2010年代
2020年代
関連作品
◇関連書籍
「ニール・ヤング自伝」Waging Heavy Peace
「ニール・ヤング回想」Special Deluxe : A Memoir of Life & Cars
「ニール・ヤング 全公式音源攻略ガイド」