ロートレック壮事件

筒井康隆「ロートレック壮事件」

ロートレックが多数飾られた別荘で起こる殺人事件。

ロートレックの作品が随所に挿まれ物語を彩るとともに、人物描写に著者らしいユーモアがあり、人間模様の面白さに引き込まれる。

最後に明かされるミステリーとしての仕掛けについては、フェアかアンフェアか意見が分かれそう。
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屍人荘の殺人

今村昌弘「屍人荘の殺人」

ゾンビに囲まれた湖畔のペンションで殺人事件が起こる。パニックホラーと本格ミステリーの見事な融合。

本格ミステリーは謎解きが肝である以上、ファンタジーや非現実的な要素を入れると興醒めになりかねない。一方で、話が面白ければ細かなことは気にならないのも小説。本作はとにかく面白い。
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Another2001

綾辻行人「Another2001」

学園ホラー×本格ミステリーの「Another」(2009年)、「Another エピソードS」(13年)に続くシリーズ最新作。前2作の3年後、おなじみの夜見山北中学を舞台に、スケールアップした“災厄”が登場人物たちを襲う。人気作の続編だが、期待を裏切らない面白さ。800ページ超を一息に読み終えた。

ホラー作品には、現実離れした設定がつきもの。そこで「あり得ない」と興醒めになるものもあれば、あり得ないからこそ想像力が刺激されることもある。「Anotherなら死んでた」がネットスラングとして流行った本シリーズは、まさに後者だろう。「死に引き込まれやすくなる」という“災厄”の設定が秀逸。
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京都に女王と呼ばれた作家がいた 山村美紗とふたりの男

花房観音「京都に女王と呼ばれた作家がいた 山村美紗とふたりの男」

「ミステリーの女王」と呼ばれた山村美紗の評伝。

他の作家に京都を舞台にしたミステリーを書くことを許さなかった。広告で自分より名前が大きく掲載された作家がいると、編集者を呼び出して謝罪させた――。数々の伝説に彩られた女王の生涯を、「ふたりの男」との関係を軸に描く。
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