時計館の殺人

綾辻行人「時計館の殺人」

 

これぞ本格という傑作ミステリー。

館シリーズの第5作。毎回奇妙な館が登場するシリーズだが、本作は時計だらけの洋館が舞台。

少女の亡霊が出るというというその館を、オカルト雑誌の編集者、霊能者、大学生らが取材で訪れ、無差別殺人かと思うくらい凄惨な事件に巻き込まれる。

外界から隔絶された空間。10年前の悲劇を巡る謎。ミステリアスな登場人物――。いかにもな道具立てと、それを裏切らない緻密な構成。「時間」の概念を利用した見事なトリック。壮絶な幕切れ。読み終えて、そうそうこういうのが読みたかったんだよ、という満足感。

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