Neil Young 全アルバム 2010年代

10年代 00年代 90年代 80年代 70年代 60年代
はじめに 映像作品(製作中) 関連作品

The Visitor(ザ・ヴィジター) 2017年

プロミス・オブ・ザ・リアル(Promise of the Real)との3作目。ニールらしいメロディーとリズムで構成された多彩な楽曲群で、やや生硬な印象もあったプロミス・オブ・ザ・リアルとの演奏も、クレイジー・ホースや旧知のミュージシャンとの録音と同じような味わいが出始めた。

リベラルの立場からアメリカへの愛を歌った1曲目の「Already Great」をはじめ、ストレートなメッセージが込められた楽曲の数々が、ニールが今を生きる現役のミュージシャンということを強く印象づける一枚となっている。

Hitchhiker(ヒッチハイカー) 2017年

1976年に録音された未発表アルバム。ニールとデイヴィッド・ブリッグスという多くの名盤を生み出したコンビで、幻の「Chrome Dreams」とともに、リリースされなかったのが不思議なほど充実した内容。

未発表曲は「Hawaii」と「Give Me Strength」の2曲。「Pocahontas」「Powederfinger」「Ride My Llama」など他の曲も、既存のアルバムに収録されたものとは違うバージョン。いずれもアコースティックで、より楽曲の魅力が際立つものとなっている。

「Le Noise」(2010年)に収録されたタイトル曲”Hitchhiker”の原曲が聴けるだけでも、ファンなら必聴の一枚。

Peace Trail(ピース・トレイル) 2016年

ジム・ケルトナー(Jim Keltner)、ポール・ブシュネル(Paul Bushnell)とのトリオ編成。アコースティックを基調としながら、ニールらしい緊張感のある曲も含まれている。

「The Monsanto Years」に続いて社会的なメッセージ色の強いアルバムで、石油パイプラインへの抗議が歌われている。やや地味な印象だが、ミニマルな構成で、ニールのサウンドが凝縮されたアルバムになっている。

Earth(アース) 2016年

プロミス・オブ・ザ・リアルとの2枚組ライブ盤。「The Monsanto Years」で歌われていた環境保護の精神を引き継ぎ、ライブ盤ではあるが曲の合間に様々な動物や虫たちの声が編集で挟まれ、タイトルに相応しい雄大なアルバムになっている。演奏は、個人的には、クレイジー・ホースとのライブ盤に比べてしまうと物足りなさもあるが、最後の「Love And Only Love」には圧倒される。

Bluenote Cafe(ブルーノート・カフェ) 2015年

「This Note’s For You」の前後、87〜88年のツアーからの2枚組ライブ盤。「Archieves Performance Series」のVol.11に位置付けられている。ホーン・セクションを含む生き生きとしたバンド演奏で、80年代のニールが決して迷走していたわけではないということがよく分かる。

The Monsanto Years(ザ・モンサント・イヤーズ) 2015年

ニールは若い頃から政治的、社会的なメッセージを臆すること無く歌ってきたミュージシャンだが、00年代以降、よりストレートに歌に思いを託すようになった。

今作に歌われているのは、遺伝子組み換え作物の普及を進める巨大企業モンサントに対する抗議メッセージ。2014年に米バーモント州が遺伝子組み換え作物(GMO)の表示を義務付ける法案を可決した際、モンサントとスターバックスが法的手段でこれを覆そうとしたことへの反発が制作のきっかけになったという。小規模農家を支援するファーム・エイド(Farm Aid)の取り組みを続けてきたニールにとっては、当然の行動かもしれない。

ウィリー・ネルソン(Willie Nelson)の息子、ルーカスとマイカ(Lukas & Micah Nelson)らのバンド、プロミス・オブ・ザ・リアル(Promise of the Real)を迎え、ニール自身も若い世代との共演を楽しんだのだろう。過激なタイトルに反して、音楽的には軽快で聴きやすいロックに仕上がっている。

Storytone(ストーリートーン) 2014年

前作から半年と間を置かずに発表された新作アルバム。2枚組(デラックス版)で、アコースティックによる弾き語りバージョンとオーケストラ・バージョンが、それぞれのディスクに収録されている。オーケストラ盤も一発録りというのがいかにもニールらしい。

環境問題、エネルギー問題への関心が歌われた曲の一方、新たなパートナーとなったダリル・ハンナ(Daryl Hannah)への思いを感じさせる曲もある。美しい曲揃いで、改めてニールのソング・ライティングの才能が分かる。

弾き語り版とオーケストラ版を編集した「Mixed Pages of Storytone」というバージョンもある。

CSNY 1974 CSN&Y 2014年

74年の再結成ツアーを収めたライブ盤。「4 Way Street」としてリリースされている70年ツアーを最後に分裂してしまったCSN&Yの4年ぶりのツアーは100万人以上を動員して大好評のうちに終わったが、その後、ライブ・アルバムや新作アルバムが発表されることはなかった。

それからちょうど40年がたち、グラハム・ナッシュ(Graham Nash)のプロデュースで世に出されたのが今作。「4 Way Street」並と言って良い充実した演奏で、ファン必聴のライブ盤。40曲+DVDの通常版のほか、抜粋の「エッセンシャル」が発売されている。

A Letter Home(ア・レター・ホーム) 2014年

ホワイト・ストライプス(The White Stripes)のジャック・ホワイト(Jack White)との共同プロデュースによるカバー・アルバム。ボブ・ディラン(Bob Dylan)やウィリー・ネルソン(Willie Nelson)、バート・ヤンシュ(Bert Jansch)など、自身のルーツを確かめるかのような選曲で、録音には、ジャケットに写されている1940年代の録音システムが用いられている。そのため音質は不安定で、雑音も混じっているが、それが不思議な味わいを与えている。

ただ、もっと高音質でも聴いてみたかったという気持ちが無いと言えば噓になる。

Live at the Cellar Door(ライヴ・アット・ザ・セラー・ドア) 2014年

1970年11~12月に行われたライブを収録。「Archieves Performance Series」のVol.“2.5”としてリリースされた。

「After the Gold Rush」と「Harvest」をつなぐ時期の、弾き語りのソロ・ライブ。楽曲、演奏、歌のいずれも素晴らしく、この頃の音源はブートレッグでは流通していたが、これほどの高音質で公式から発売されることを喜びたい。

Psychedelic Pill(サイケデリック・ピル) 2012年

オリジナルのフル・アルバムでは「Broken Arrow」以来、なんと16年ぶり。ニールもクレイジー・ホースのメンバーも皆60代どころか、70代が視野に入りつつある。そうした中で届けられたこのアルバムは、様々な不安を吹き飛ばす力に満ちた作品だった。

冒頭の「Driftin’ Back」からライブ感あふれる27分超の演奏で、「Ramada Inn」「Walk Like A Giant」も15分を超す大曲。まさにニールとクレイジー・ホースの顔合わせでしか作れない傑作と言える。

Americana(アメリカーナ) 2012年

アメリカン・フォーク・ソングの名曲を集めたクレイジー・ホースとのアルバム。久しぶりのクレイジー・ホースとの共演がカバー集では寂しい……と感じていたら、2枚組の大作「Psychedelic Pill」が間を置かずに届けられた。

A Tresure(ア・トレジャー) 2011年

「Old Ways」発売前の84~85年のツアーからのライブ盤。カントリー調の曲が多いが、未発表曲も含まれた充実したセットリスト。

インターナショナル・ハーヴェスターズ(The International Harvesters)と名付けたバンドには、ベン・キース(Ben Keith)、ティム・ドラモンド(Tim Drummond)、スプーナー・オールダム(Spooner Oldham)、フィドルにルーファス・ティボドウ(Rufus Thibodeaux)らが参加している。

「Archives Performance Series」のVol.9。

Le Noise(ル・ノイズ) 2010年

これまで作品の制作を有名なプロデューサーに委ねるということが無かったニールだが、ここに来て、U2の「The Joshua Tree」などで知られる巨匠ダニエル・ラノアと組んで新作を発表し、ファンを驚かせた。ラノアのバンド、ブラック・ダブ(Black Dub)の演奏に興味を持ったニールからアプローチしたらしく、自分が興味を持ったことに正直に取り組む、若い頃からのニールの変わらない姿勢が表れた作品と言える。

ギター1本での弾き語り。それも8曲中6曲は、重低音で徹底的に歪ませたエレキ・ギターで、という思い切った構成。ニール以外の誰がこんなアルバムを作れるだろうか。普段のニールのアルバムのようにライブに近い一発録りではなく、随所にラノアの手で処理が施されているが、それがニールのギターの音の魅力をより引き出している。アコースティックの2曲も美しい。

収録曲のうち、「Hitchhiker」は90年代から歌われていた名曲。

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