Neil Young 全アルバム 1980年代

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はじめに 関連作品 ランキング

 

Freedom(フリーダム) 1989年

80年代の最後に登場し、ニールのキャリアの中でも代表作の一つと言える名盤。ロック・アンセムとなった「Rockin’ In The Free World」は、アルバムに先駆けてライブで披露され、このアルバムもライブ録音のアコースティック版で幕を開ける。続く「Crime In The City」など勢いのある楽曲が並び、最後は、エレクトリック版の「Rockin’ In The Free World」で90年代への予感を感じさせて締めくくる。

この頃から、グランジ世代の若手ミュージシャンの間でニールの再評価の声が高まり始め、それに呼応するかのようにニールの活動も充実を見せていく。

「Eldorado」は「Freedom」に先駆けて、ツアー先の日本とオーストラリア地区のみでリリースされた企画盤。

American Dream(アメリカン・ドリーム) CSN&Y 1988年

CSN&Yとしての18年ぶりのスタジオ・アルバム。4人のハーモニーは健在だが、かつてのような緊張感はなく、サウンドも80年代的。そして、このアルバムを聴いて感じるのが、ニールの存在感が随分と大きくなったということ。「Deja vu」では“異物”のような輝きを放っていたが、ここではユニットの中心を担うようになっている。

ニールが手掛けたのは「American Dream」、「Name of Love」、「This Old House」、「Feel Your Love」。

This Note’s For You(ディス・ノーツ・フォー・ユー) 1988年

リプリーズ復帰後の第1作。大胆なホーン・セクションが印象的だが、非常にニールらしいアルバムに仕上がっている。80年代ニールのテクノ、ロカビリー、カントリー……という極端な流れに位置付けてしまうには惜しい名盤。

タイトル曲で、音楽ビジネスとは一線を引く姿勢を鮮明にしたニールは、翌年、「Rockin’ In The Free World」とともにロックの一線に戻ってくる。

Life(ライフ) 1987年

ライブ録音をもとにした新曲アルバム。80年代らしいサウンドではあるが、原点回帰も感じさせる。ゲフィンへの別れの手紙とも言える怒りに満ちた「Prisoners Of Rock ‘N’ Roll」など、切れ味は鋭い。

Landing On Water(ランディング・オン・ウォーター) 1986年

シンセサイザーを使用したバンド演奏で、いかにも80年代が生み出したサウンド。80年代のアルバムに共通していることだが、サウンド的には微妙でも、楽曲のレベルは高く、じっくり(あるいは肩の力を抜いて)聴くと、このアルバムもなかなか悪くない。

Old Ways(オールド・ウェイズ) 1985年

ロカビリーに続いて、今度はカントリー。良くも悪くも普通のカントリー・サウンドに徹しており、ただの趣味なのか、何か深い思いがあるのか分からない。

Everybody’s Rockin’(エヴリバディズ・ロッキン) 1983年

電子音楽に取り組んだ次は、一気に時代を戻って全編ロカビリー。アルバムのジャケットも、リーゼントにテカテカスーツという気合の入れよう。

10曲中、オリジナルが6曲だが、全曲とも50年代ロカビリーの再現に徹している。“ニール・ヤングらしいアルバム”を期待しなければ(この作品も彼らしいと言えばかなり彼らしいが)、なかなか魅力的な作品。

Trans(トランス) 1982年

ゲフィン移籍後の第1作。シンセサイザーやヴォコーダーを導入し、それまでのニールからは想像も付かない大胆なサウンドに取り組んでいる。

表面的な物珍しさに気を取られてしまうが、よく聴くと楽曲のレベルは高い。総じて80年代は公式のスタジオ・アルバムだけを聴くと迷走しているように感じるが、ブートレッグなどで当時のライブを聴くと、曲目、演奏ともに充実していることが分かる。

re-ac-tor(リ・アク・ター) 1981年

前作とは打って変わり、再びクレイジー・ホースとのエレクトリック・アルバム。暴力的と言ってもいいくらい荒々しい演奏。

「Shots」はそれまでのライブで弾き語りで演奏されていた曲だが、このアルバムでは銃声が鳴り響く極端なハード・ロックに変貌。アコースティック版の「Shots」はブートレッグなどで聴くことができるが、ファン必聴の名曲。

Hawks And Doves(タカ派とハト派) 1980年

80年代のニールは非常に変化に富んだ作品を発表し続け、物議を醸すことも多かった。家庭環境の変化(ニールとペギ・ヤングの長男ベンが78年に障害を抱えて生まれ、86年からの「ブリッジ・スクール・ベネフィット・コンサート」につながっていく)に加え、社会、音楽業界にとっても激動の時代で、その内面は計り知れない。

80年代の幕開けとなったこの作品は、前半は弾き語り、後半はバンド演奏。全体としてカントリー色が強い。前半は静かな名曲がそろっており、後半の脳天気な曲と不思議な対照を成している。タイトル曲は歌詞だけ見れば愛国的だが、ニール流の皮肉のような気もする、よく分からない一枚。

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