加藤健二郎「戦場のハローワーク」
軍事ジャーナリストや戦場カメラマンになるには……を紹介する形で著者の戦場体験を書いたルポ。パフォーマンスなのか自己顕示欲が強いのか、「戦争はチャンス」「楽しい」と言い切ってしまう偽悪的な姿勢が鼻につく。でも、こんな人もいるのかと開き直って読めば面白い。
戦場にいるのも人間なら、普通の青年も人格破綻者もいて、そこに“日常”が生まれる。戦場が悲惨一色ではないことを伝える意味では出色の出来。
読んだ本の記録。
佐野眞一「沖縄 だれにも書かれたくなかった戦後史」
「月刊PLAYBOY」の連載をまとめた約650ページの大作。沖縄やくざの系譜や琉球独立論、知事選の泡沫候補など、忘れられた沖縄の現代史を訪ね歩く。
沖縄を“被害者”として神聖化するのではなく、戦果アギヤーや軍用地主の存在、奄美出身者への苛烈な差別なども取り上げている。
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石川直樹「最後の冒険家」
08年、手製の熱気球で太平洋横断に挑み、行方不明になった神田道夫。著者の石川はその4年前、同じ挑戦に副操縦士として同行し、失敗。太平洋上で共に生死の境を彷徨った。
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