戦争における「人殺し」の心理学

デーヴ・グロスマン「戦争における『人殺し』の心理学」

原題はThe Psychological Cost of Learning to Kill in War and Society。軍属である著者の問いは「なぜ人は人を殺さないのか」。

第2次世界大戦で、兵士の発砲率は20%以下だったという。目前に死の危険が迫っても、人は人を殺す事を戸惑う。しかし軍隊の心理学は「条件付け」や「脱感作」、距離的な条件を変えることで、人を殺す事に慣れさせた。朝鮮戦争を経てベトナム戦争では発砲率は90%まで上昇したという。一方、人殺しが心にどれ程の負荷をかけるのか。

単純な反戦や戦争賛美を超えた戦争論。

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