生きていく民俗

宮本常一「生きていく民俗 -生業の推移」

村で、町で、山で、海で、川で、人が生きていくためにどう働いてきたか。自給可能な社会、行商の始まり、職業の分化、差別の発生……人と生業の関わりと町や村の変容を追う。

宮本常一の民俗学は、文字の資料のみに頼らず、日本列島をくまなく歩いた自らの経験を元に築かれている。それは学術的な弱さの一方、世間師の語りとして無類の説得力を持たせている。そこらの啓発本よりよほど、働くこと、について見つめなおすきっかけになる一冊だと思う。

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