消失/神様とその他の変種

ケラリーノ・サンドロヴィッチ「消失/神様とその他の変種」

ケラリーノ・サンドロヴィッチの戯曲2本。ちょっとずれたテンポの良い会話に引き込まれる。「消失」は兄弟愛を軸に“消えること”に対する哀愁が全編に満ちた作品。活字で読むと少し感傷的すぎるかもしれないが、生身の役者を思い浮かべながら読むと胸を打つ。「神様とその他の変種」は家族の話。ナンセンスな愛憎が入り乱れて要約不可能。笑いつつ、心が毛羽立つ。作家自身が書いているように別役実的な雰囲気。

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