時が滲む朝

楊逸「時が滲む朝」

天安門事件で民主化運動に挫折した学生の話だが、天安門事件や中国を描いた作品と言うよりは、普遍的な青春小説という印象。

著者の作品は、中国人留学生を描いた「すき・やき」が柔らかなユーモアがあって面白かったが、芥川賞受賞作でもあるこの作品は著者自身の思い入れが感じられる一方で、少し生硬な印象も受ける。ただどちらの作品も、根底に流れる、理想を抱えつつも生活していかないといけない、という登場人物の強さが気持ちいい。

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