文楽のこころを語る

竹本住太夫「文楽のこころを語る」

浄瑠璃の主な演目について、語り手としての思いや工夫を聞き書きでまとめた一冊。ただ抑揚をつけて読み上げているのではなく、いかに心を、情を伝えるのか。そこに気の遠くなるような稽古と試行錯誤がある。

「近松ものは字余り字足らずで、私嫌いでんねん」とはっきり言っているのが面白い。

上方の文化なのに楽屋でも東京の言葉が話され、大阪弁へのこだわりが無くなりつつあることが、語りの根本を崩しかねないという危機感も伝わってくる。

コメントを残す