蔭の棲みか

玄月「蔭の棲みか」

朝鮮人集落を舞台とした表題作は正攻法の純文学。主人公のソバンの、70年余りの人生を生きた上での軽さや頼りなさ、意固地さが印象的な一方、他の登場人物の描写は少し曖昧で不自然に感じる。

併録の「おっぱい」の方が、いい加減だけど著者のユーモアが強調されていて読んで面白い。特にラストの雑さに味がある。

コメントを残す