ラインホルト・メスナー「ナンガ・パルバート単独行」
8000m峰で人類初のソロを達成したメスナー。登攀のドキュメントというより、独りであることについての内省的な問いが延々と続く。
なぜ山に向かうのか、孤独がいつ恐れから力に変わるのか―。
毀誉褒貶の激しい人だが、自分に対しては非常に真摯だと思う。
「人生に絶望していてもあの山の上では生きる喜びに変わる」
「恐れることを通じて、この世界を知りたいのだ」
「いつもある方角に向かって歩いているということが、人生をもひとりで耐えてゆくことのできる唯一の可能性をぼくに与えてくれるのだ」