すべて真夜中の恋人たち

川上未映子「すべて真夜中の恋人たち」

文体先行の印象が強かったこれまでの作品からは意外なほどストレートな恋愛小説。真夜中、光、というキーワードをちりばめた物語と文章が美しい。

初老の物理教師と“冬子さん”。読んでいて「センセイの鞄」がちらついて仕方なかったが、最後まで読むとそれなりに別物。衰えつつある男性と未成熟な大人の女性というのは、現代の恋愛小説の定番の一つになるのかもしれない。

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