夏の闇

開高健「夏の闇」

日本でもベトナムでも無い異国の地で、眠り、食、性の描写が続く。

ベトナムが舞台だった「輝ける闇」より文体や思考は濃密になっているのに、そこには生の実感と呼べるようなものがほとんど無い。現実の近さを取り戻すためには、ベトナムに戻るしかないのだろうか。

久しぶりに「輝ける闇」と続けて読んで、開高健の文章ってこんなにも見事だったかと驚いた。「その頃も旅をしていた」の書き出しも、ラストも素晴らしい。

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