パブロ・カザルス「鳥の歌」
カザルスの発言と短いエピソード集。自由と平和を何よりも希求し、音楽の力を信じた高潔さの一方、現代音楽に耳を貸さない頑固さも伺えて面白い。
シンプルな内容だけど、愛にあふれた一冊。
クラシックはあまり聞かないけど、カザルスのバッハの無伴奏組曲にだけはなぜか強く惹かれ、高校生の頃から何度も繰り返し聴いてきた。聴く度に胸が締め付けられ、音楽にこれほどのものを乗せられるのかと思う。その理由の一端が分かった気がした。
子供に新たな言葉を教えたら「その言葉は奇蹟を起こすんだ」と伝えると良い、という教育論も印象に残った。