行商人に憧れて、ロバとモロッコを1000km歩いた男の冒険

春間豪太郎「行商人に憧れて、ロバとモロッコを1000km歩いた男の冒険」

ロバに荷車を引かせてモロッコを南北に縦断。モロッコと言ってもアトラス山脈から地中海にかけての地域で、人跡未踏の地を行く前代未聞の大冒険!という性質の挑戦ではないが、行く先々で起こる事件や出会いの一つ一つが非常に面白く、旅の魅力に富んでいる。どことなく、電波少年の旅のようなノリ。

旅の相棒のロバ探しから始まり、いざ歩き始めてからも、ネコ、鶏、子犬……と仲間が次々と増えていく。この動物たちとの関係こそが、旅の核心と言っても過言ではない。仲間と互いに信頼と愛情を育んでいく様は、まさにリアルRPG譚。

行き当たりばったりに見える一方、実は用意周到で、語学や旅のスキルも高いことが行間から伺える。新世代の旅ライターとして今後に期待大。

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