奇界紀行

佐藤健寿「奇界紀行」

“奇界遺産”の撮影を続けるカメラマンのエッセイ集。タイの地獄寺から、台湾のアウトサイダーアート村、トーゴの呪術市場、南米のUFO目撃スポットまで。さらに、イタリアでは澁澤龍彦の足跡を辿り、諸星大二郎とパプアニューギニアを訪れる。

複数の媒体に書かれた長短さまざまな文章が混在しているため、一部やや物足りない章もあるものの、一風変わった旅行記として面白い。

人間の想像力が生み出したもので、なぜ一方は文化財や芸術になり、一方は珍景扱いされるのか。大仏だって、ガウディだって十分に変だし、タイガーバームガーデンは安っぽいなりに一つの世界観をよく表している。先入観を捨てた目で見ると、世界はもっと面白くなる。

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