三月の5日間

岡田利規「三月の5日間」

ここ10年ほどの演劇の方向性を決定づけたとまで言われる作品。内容的には一夜の関係(正確には四泊五日だけど)を語っているだけだが、その語り口が既存のどのスタイルとも違う。で、で、と繋いで語順もばらばら。かなり口語(いわゆる“口語体”ではない)に近いセリフ。「~ってのを今からやります」「~っていう話で」が頻繁に挟まれ、語り手が一定しない。役と役者の関係も含めて一般的な戯曲、演劇のスタイルが解体されている。似たような試みは小説でもあると思うけど、演劇がここまで鮮やかに決めてしまうとは。

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