本谷有希子「幸せ最高ありがとうマジで!」
岸田賞受賞作。新聞販売店の一家のもとに、夫の愛人と嘘を付く女が現れる。理由は“無差別テロ”。
「私、病んでるけど元気なのよ。最先端なの。切ったり鬱になったりなんかしないし、明るい人格障害なのよ」
「あんたみたいな従来の情緒不安定系とは付き合いたくない」
女は自身を〝絶望の理由乞食〟といい、絶望の理由がある他人に絡んでいく。極端な振る舞いは、段々ともの悲しさに転じる。
この作風に拒否反応を示す人もいそうだけど、面白いことはとても面白い。
読んだ本の記録。