石井光太「浮浪児1945‐ 戦争が生んだ子供たち」
戦後街に溢れたストリートチルドレンがどう消えていったのか、彼らがその後どのように生きて来たのか、あまり語られることのなかった浮浪児の戦後史。当然それは一括りに一般化して語れるものではなく、あくまで個人の物語を積み上げる作業となる。
地下道での生活、闇市での仕事、テキヤ、ヤクザ、パンパンとの交流、孤児院、脱走、そして経済発展……
ここに語られているのは主に東京大空襲と上野の町の記憶だが、戦後の日本全体、さらには現在の世界各地の都市に通じる普遍性を持った証言でもある。