「宮本常一」 ちくま日本文学22
未読の文章が何編か収録されていたので購入。夭逝した子について書いた「萩の花」が印象的。
“人は暗さの中にジッとしていられるものではない。暗い中に火をともそうとするものである。私はわが子が小さいながらもその火をともすものであってもらいたいと思った”
「忘れられた日本人」にも収録されている梶田富五郎翁の「やっぱり世の中で一ばんえらいのが人間のようでごいす」の一言も何度読んでも心に響く。
過去だけでなく、現在、未来のすべてに敬意を持って語れる人は少ない。宮本常一のように生きたいと思う。