日本人は、どんな肉を喰ってきたのか?

田中康弘「日本人は、どんな肉を喰ってきたのか?」

マタギの取材を長年続けてきた著者が、西表島の猪から礼文島のトドまで、各地の猟に同行したルポ。日本人は決して農耕一色の民族ではない。むしろ何でも食べる。猟の方法も興味深いが、何より、その後の解体、調理の生き生きとした描写に引き込まれた。

クマやシカは言うに及ばず、アナグマやハクビシンも絶品らしい。そして猪やシカを生で食べる場面に仰天。野生動物の刺身なんて、自分で獲らなくては食べられない。というか危ない。

狩猟には一度取材で同行したことがあるが(この時はキジが1羽獲れただけ)、日本は広く、猟の世界は深い。亜熱帯の八重山と、猟期は雪に覆われる東北の山間部では、猟の仕方も肉の捌き方も大きく異なる。すぐ読み終わってしまう分量だけど、写真も多めで肉好き必読の書。

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