網野善彦「『日本』とは何か」日本の歴史00
7世紀末に生まれた「日本」は、決して農業中心の自給自足の歴史を歩んできたわけではなかった。国家という括りから離れ、「日本」の土地に住む人間の歴史を問い続けた網野善彦のエッセンスが詰った一冊。日本海を巨大な内海として捉える視点などはっとさせられる。
名著「日本の歴史をよみなおす」などに比べ、晩年の焦りか主観的な記述も目立つ。網野は間違いなくこの土地を愛していたが、日本という国政への憎悪とも言える記述には抵抗を感じる人もいるだろう。
読んだ本の記録。