ノーライフキング

いとうせいこう「ノーライフキング」

ファミコン世代の子供たちの噂ネットワーク。その得体の知れなさを題材とした1988年発表の小説。

「呪いのゲーム」の噂など、インターネットが発達する前に確かに存在した小学生の間の空気(今思えば、裏ワザとか攻略法って、なぜあんなに早く広く伝播したのだろう)に郷愁を感じつつ、まさにその世代の自分からすると細部や子供たちの行動には不自然に感じる部分も多少ある。

著者自身は世代的にはファミコン世代より一つ上で、作中に登場する子供たちの間に入っていけない青年の立場に共感しているのだろう。微妙な世代の違いで、この作品から受ける印象はがらりと変わりそう。

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