歴史を考えるヒント

網野善彦「歴史を考えるヒント」

日本という国号が定められ「日本人」が生まれたのはいつなのか、この問いにまともに答えることができる人がどれだけいるだろうか。関東や関西といった地域名がいかに生まれたか。自由、人民、土民、落とす、募るの本来の意味は――。

日本の歴史教育は左右問わず、自虐かどうかよりも根本的なところでずれている。近代の農本主義に基づく百姓=農民という誤解が歴史観をいかに歪めたか。為政者の意志や外国語との出会いで言葉の意味は移り変わり、過去の姿も変わって見えてしまう。言葉を軸に歴史を考える、網野善彦のエッセンスが詰まった一冊。

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