西洋中世の罪と罰 亡霊の社会史

阿部謹也「西洋中世の罪と罰 亡霊の社会史」

粗野で生者に災いをなす死者は、キリスト教と共に、生者に助けを求める哀れな死者へイメージを変えた。アイスランド・サガなどからの引用で古代ゲルマンの世界観を説明しながら、キリスト教がどう受容されていくのかを描く。

煉獄を設定し、キリスト教の教義では本来存在し得ないはずの亡霊を説明する。宗教が土着信仰と混ざり合う様は、日本に仏教が適応していく過程も連想されて面白い。

この歴史の流れの中で見ると、カロリング・ルネサンスの意味も大きく変わってくる。

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