野村進「島国チャイニーズ」
劇団四季からチャイナタウン、山形の農村の中国人妻まで、在日華僑、華人の話を聞いて歩く。
つい、「在日」として韓国・朝鮮系と(しばしばマイナスイメージで)ひとくくりに考えがちだが、日本での生活への満足度や、国籍、中国名へのこだわりの薄さなど実態は大きく異なる。雑誌連載がもとになっているためか、それぞれの話が少し浅いけど、在日チャイニーズの多様さに気付かされる。
そもそも中国は広く、日本人と韓国人の違い以上に中国人内の差が大きいはず。そんなことも忘れがちで、人の思考は意識しないと常に多様さに目を閉じて単純な方へと固まっていってしまう。