共喰い

田中慎弥「共喰い」

古風だが、いわゆる擬古的なものではなく、著者にとってはこれが自然だったのだろうと思える作品。性と暴力の象徴ともいえる父との葛藤や、土地の匂いを感じさせる言葉は中上健次を彷彿とさせる。「枯木灘」くらいの分量があると強烈な作品になったと思う。ちょっと短かい印象。

コメントを残す