夢よりも深い覚醒へ ―3・11後の哲学

大澤真幸「夢よりも深い覚醒へ ―3・11後の哲学」

リスク社会では中庸は最も無意味な選択肢になり、人は「リスクの致命的な大きさ」より、「リスクは事実上起きない」に傾いてしまう。命と経済性の天秤――倫理的に答えは明らかだが、その命が、想像の及ばない不確定な未来の命になった時、それは答えの無い“ソフィーの選択”になる。

原発事故を総括し、脱原発への思想を立ち上げようという試み。

この本も結局は思考の遊びの域を脱せられていないかもしれないが、真摯な取り組みだと思う。凡庸な解釈は真実を隠蔽する。昨年3月以来、垂れ流されている多くの言葉に対する違和感はこれに尽きる。

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