網野善彦「無縁・公界・楽 ―日本中世の自由と平和」
中世以前の日本にあった今とは違う「自由」の形。論文として見れば根拠の弱さが目立つかもしれないが、問おうとしたものは非常に大きい。農業民主体の静的な日本史からの転換。刺激的な1冊。
読んだ本の記録。
内田百間「阿房列車 ―内田百間集成1」
中身が全く無いのに面白い。最近エンタメノンフィクションという言葉が使われるが、その元祖とも言える。
石川淳の作品なんかを読んでも思うけど、日本文学の文体の豊穣さはいつの間に失われたのだろう。
「宮本常一」 ちくま日本文学22
未読の文章が何編か収録されていたので購入。夭逝した子について書いた「萩の花」が印象的。
“人は暗さの中にジッとしていられるものではない。暗い中に火をともそうとするものである。私はわが子が小さいながらもその火をともすものであってもらいたいと思った”
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