Simon Climie(サイモン・クライミー)と組み、打ち込みやシンセを大きく取り入れた内省的なアルバム。家族や喪失をめぐる歌が心に残る。起伏の乏しさやサウンドの特性から好みは分かれる作品だろうが、個人的には90年代のクラプトンで最も繰り返し聴いたアルバム。”My Father’s Eyes”、”Circus”は90年代を代表する名曲。
Simon Climie(サイモン・クライミー)らとのプロジェクト、T.D.F.のアルバム。クラプトンは「x-sample」と名乗り、電子音と打ち込みを軸にした音楽に取り組んでいる。普段のクラプトンとはずいぶん違うが、加工された音の中のギターはやはり本人のもの。楽曲のレベルは高く、ブルースやロックを期待すると戸惑うものの、実験や迷走と片付けてしまうには惜しい1枚。「Pilgrim」のサウンドにつながる作品でもある。
「Unplugged」の大成功の後に、全曲ブルース・カバーで勝負したアルバム。”I’m Tore Down”、”Five Long Years”、”Groaning the Blues”など。売れ線のバラードへ向かわず、自分の根に戻り、かつ全英ナンバーワンのヒットを記録した。ブルース入門にもおすすめの1枚。
「In Concert」と同じ1970年10月のフィルモア・イースト公演を、ボックスセット「Crossroads」収録曲や未発表録音を交えて再編集した2枚組。
MTVの「Unplugged」から生まれた、アコースティック・ライブの金字塔。”Tears in Heaven”、大胆に姿を変えた”Layla”を筆頭に、”Before You Accuse Me”、”Hey Hey”、”Malted Milk”など、古いブルースの演奏もいい。1993年のグラミーでは本作と”Tears in Heaven”、”Layla”に関連してクラプトンが計6部門を受賞している。2013年にデラックス盤、2025年には「Enhanced Edition」が発売され、そちらでは”Circus”、”My Father’s Eyes”も聴くことができる。
映画「Rush」のために制作したサウンドトラック。”Tears in Heaven”のスタジオ版が初めて収められたアルバム。大半はインストゥルメンタルだが、佳曲揃いでファンは必聴。
1990〜91年のロイヤル・アルバート・ホール連続公演から、編成の異なるバンドとマイケル・ケイメン指揮のオーケストラとの演奏を抜粋した2枚組。”Badge”や”Bad Love”などのロック、ブルースから、壮大な”Edge of Darkness”まで。ライブ盤として聴くと統一感に欠ける点は否めないが、80年代を経てのクラプトンの音楽的幅が存分に示された1枚。2023年に音源を大幅に追加・再編集した「The Definitive 24 Nights」が発売された。
80年代のサウンドとブルースの香りが、ようやく無理なく結びついた一枚。”Pretending”、”Bad Love”の力強いロックから、”Old Love”の深い陰影まで。Russ Titelman(ラス・タイトルマン)のプロデュースによる80年代の代表作。
フィル・コリンズが制作の中心を担い、ホーンやシンセを使ったR&B/ポップ路線を押し進めたアルバム。冒頭の”It’s in the Way That You Use It”はトム・ダウドとクラプトンの制作。Tina Turner(ティナ・ターナー)との”Tearing Us Apart”や、ロバート・クレイ(Robert Cray)のカバー”Holy Mother”、YMOの”Behind the Mask”など、聴きどころは少なくない。
Michael Kamen(マイケル・ケイメン)と共同で音楽を手掛けた、BBCドラマのサウンドトラック。1985年に6曲入り、約19分のEPとして発売された。後のオーケストラとの共演につながる作品。表題曲は「24 Nights」でも演奏された。
Phil Collins(フィル・コリンズ)と組んでの第1作目。そこにレコード会社の意向で別プロデューサーによる曲が加わった作品。”Forever Man”などの明快なポップ・ロックと、長い”Same Old Blues”の重さが一枚の中に並び、アルバムとしては散漫な印象が否めない。シンセやドラムの響きも、いかにも80年代。
ワーナー系のレベールに移籍しての第一弾。アルコール依存症の治療を経て、トム・ダウドと組んで制作された。Ry Cooder(ライ・クーダー)、Albert Lee(アルバート・リー)、Donald “Duck” Dunn(ダック・ダン)、Roger Hawkins(ロジャー・ホーキンス)らベテランのセッション・ミュージシャンが参加。聴きやすいアルバムではあるものの、突出した楽曲もなく、全体としては地味な印象。
RSOレコードでの最後のスタジオ作。引き締まったロックとブルースが同居し、70年代のレイドバック路線から比べると少しサウンドの輪郭が硬質に。
1979年12月の日本武道館公演を収録した2枚組。Albert Lee(アルバート・リー)、Chris Stainton(クリス・ステイントン)らを擁するバンドの、引き締まった演奏が素晴らしい。”Tulsa Time”の軽快さから、”Double Trouble”の深いブルース、”Blues Power”の熱気まで。70年代のソロ曲を軸に、歌とギターともに充実の1枚。ライブ盤の代表作の一つ。
