町田康「告白」
あまりに思弁的で、百姓としても侠客としても生きられず、身を滅ぼしていく主人公・熊太郎。
「河内十人斬り」の実話を基にした一風変わった時代小説。「告白」のタイトルどおり、主人公の内面描写が800ページ延々と続くが、河内弁の饒舌な語り口で冗長さは感じさせない。
読んだ本の記録。
宮本常一、山本周五郎、揖西高速、山代巴「日本残酷物語1 貧しき人々のむれ」
「残酷物語」という言葉から特異なケースを取り上げた記録集と勘違いさせかねないが、内容はまっとうな民衆史。
飢えや病が避けられぬものだった時代。人が生きていくため、どんな歴史を刻まなければならなかったのか。
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