「つなみ 被災地の子どもたちの作文集」
被災地の子供の作文集。吉村昭の「三陸海岸大津波」に収録された当時の作文と比べると、文章のレベルは高くないし、読み進めるのは結構苦労する。それでも、子供たちがあの日何を見たのか、何が記憶に残っているのか、何を語りたい、語りたくないのかが伝わってくる。
何より印象に残ったのが、ほとんどの子がボランティアなどで避難所を訪れた人たちや支援物資への感謝の言葉を述べ、前向きな気持ちを綴っていること。災害時に“本当に必要な支援”は難しい。ただ、子供たちにこうした思いを持ってもらうためだけでも、何かをする意味があると思う。