根津権現裏

藤澤清造「根津権現裏」

自殺した友人を巡る物語。「等身大」と言ったら安っぽく響くが、同じ私小説でも安吾のように突き抜けた駄目さではなく、百閒のようなユーモアも無い。ただその地味さが逆に現実味があって、共感できる。

西村賢太が再び光を当てるまで、ほぼ忘れられかけていた作品なのに古さを感じない。

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