ベルトルト・ブレヒト「三文オペラ」
強盗の親玉と、乞食の元締めの娘の結婚式から始まるドタバタ劇。全編、皮肉と人間の欲望のエネルギーに満ちあふれている。
「人間は何をして生きるのか」「うぬぼれるのはやめよう! 人間は悪いことだけして生きているのだから」と繰り返すブラックユーモア満載の歌詞。
唐突な大団円も、絶対に人生にこんなことは起こらないという乾いた絶望に覆われている。
二十世紀初頭の作品だが、ノリも構成も全く古さを感じない。というより、この作品がその後の文学や芸術に与えた影響が極めて大きかったということだろう。